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2010.04.24 Saturday / - / -



二人で一つの (朝×夜 過去編)



熱い。

もうあれから何時間たったのだろう。

迫り来る炎のなか、気絶して動かない姉を引きずって、必死に前へと進んだ。

・・・正直、しんどい。




もう自分は死んでいるのかもしれない、と馬鹿な考えと自嘲的な笑みを浮かべ、ひたすら動いた。


柵から見かけた彼女の表情からして、確実に姉はあのパッツン野郎に惚れてる。
助けて生かしておいたところで、その感情は変わらないだろう。
ならば、いっそのこと・・・。

「一緒に、死ぬ?」



返事が無い。当たり前だ。気絶しているのだから。
・・・死んでいるのかもしれないな・・・。
もしそうだったとしても、彼女を置いて行く気はさらさら無かった。


15年前から好きだった。
それなのに、大人達の勝手な都合で、俺達は引き裂かれた。
それからいままで、ずっと会えなかった。
それどころか、今俺の肩でのんきに気絶してやがるこいつは、俺の存在さえ知らなかった。
こんな非道い話があるのか。畜生。神様の馬ー鹿。


なのに今俺達はこんなに近くにいる。(距離感0!)
今死ねるなら、正直本望だな。


そんな馬鹿なことを考え続けていたが、とうとう体のほうに支障がきはじめた。



もう、無理だな。
そう思って前に体を倒した。
当然姉も一緒だ。
あいつの長い髪が、俺の頬にかかった。
あー・・・。綺麗な髪だな・・・。紫がかった黒の・・・。


生傷だらけの体。
しかも周りは火の海。
煙も大量に吸い込んだ。
そんな体でよくここまで来たものだ、と、我ながら思った。
元から体力なんて米粒くらいしか無いのに、逆によく頑張ったと褒めてやりたい位だ。


「あー・・・死ぬんだろうな・・・。」

せめて、こいつだけでも助けてやりたかった・・・。

体をごろりと反転させて、15年間愛した人に向き合う。



「生まれるときも一緒で死ぬときも一緒だなんて、中々浪漫ちっくだよな、真夜。」

誰も聞いていないのに、一人でブツブツと呟きながら目を閉じた。

その時、炎の向こうが、ゆらりと揺れた。











「・・・い、・・・ろ、おい、起きろ!」

けたたましい声で目が醒める。
畜生誰だよ。せっかく真夜の夢見てたのに。


「起きてすぐ物を尋ねるのは少々気が引けるが、聞くぞ。お前、誰だ?何やら私を運んで来てくれたらしいが・・・。」

・・・あんたの弟だよ・・・。


俺達、生きていたのか・・・。
嬉しいような面倒なような、何だか微妙な気分になった。


目の前には、元気な、というか傷がほとんど治りかけている真夜の姿があった。
・・・まじですか。ほんとに人間ですかあんた。俺死にそうなんだけど。


俺が一人で色々考えているのを無視して(というか気づいてないのか・・・?)
真夜は俺に話しかけてきた。

「おお、そうだ。人に物を尋ねるときは、まず自分から、だったな!」

お前の名前なんか、ずっと前から知ってる。
お前の名前は・・・。


「私の名は、夜だ!!」

・・・・・・ああ、気が狂いそうだ・・・。




どうやら真夜には昔の記憶が無いらしく、名前も忘れてしまったらしい。
そこで、俺達を救ってくれたらしい“風様”とやらが新しくつけてくれたようだ。


違うんだよ、真夜。
お前の名前は“真夜”で、俺の名前は“真昼”。
二つで一つの対になってる名前。
俺達の親がくれた、最初で最後の贈り物。


真夜に名前を変えられて、
俺達の関係が、否定されたように感じた。
ならば・・・。


「・・・俺の名前は、朝だ。」


俺が近付いていくしかないだろう?



俺とお前。
朝と夜。
二つ合わせて、やっと一つになれる。
今の不完全な俺達にぴったりだ。




真夜が俺のことを思い出すまで、本当の名前を思い出すまで、あいつを守ろうと、あの時誓った。

15年間も待ったんだ。あと何年か、待つとするか・・・。







まずは、キャラ作りから、始めていくとしよう。













2009.09.26 Saturday 23:26 / comments(0) / 小説



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2010.04.24 Saturday 23:26 / - / -



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